ねこさんが好きな方なら、ご存知の方も多いかと思いますが、ねこさん(わんちゃんも)は環境の変化に非常に敏感な生き物です😹
愛護センターに勤務していた頃、一番苦労したと言ってもいいと思うことが『ねこさんの環境の変化による体調管理、食事管理』でした。
動物シェルターという、今まで暮らしていた野外やお部屋とは全く違う環境(しかも非常に多くの動物の匂いや声が充満している施設)ですので、ほんの少しの変化でもストレスのかかる動物たちが、そんな環境にいきなり放り込まれて、普通に過ごせるわけがないんですよね😿2、3日食べないなんてのはザラで、1週間食べない、出さない、長い子になるとひと月そんな状態が続くような子もおりました。
↑この子は初め、ひと月以上ダンボールから全く出てこず、威嚇が酷かったのでダンボールに入ってもらったままで掃除してました💦
番組ではMCの森田さんの飼い猫さん2匹を、引っ越し先の事務所に連れて行くという内容でした🐈
ロケ現場には猫の心理の専門家の方もいらっしゃったのです。が、、、
マンションの一室の事務所で暮らしているこの子たちを、新たに借りた隣の部屋に連れて行く場面で、森田さんが我が子たちをキャリーやケージに入れずにそのまま抱っこして新しい部屋に放したんです。その段階で『大丈夫か⁉️』と思いました。
案の定、隠れ場所や好きだったモノが何一つ無いと思われる新しい部屋で、ただうろたえるねこさん達が画面にいました(当然ですよね、、、)
番組の構成としては、専門家の方が「環境の変化に敏感なねこさんたちが落ち着けるために、キャットタワーを置きましょう」とアドバイスをして、ダンボールを重ねて手作りタワーを作る、という流れでした💦
うーん、、、、、
これが正解!はありませんが、やっぱり考えるべきことはあるんじゃ⁉️
ねこさんにとっては「知らない場所に連れて行く」それだけでとんでもないストレスフルな状況です。
番組としてはそこをしっかりと伝えて、そんな場合は、どのようにしたらねこさんのストレスを極力減らすことができるのか?
これこそを教えて欲しかったんですよね、、、
例えば、ずっと使っていたトイレや爪研ぎ、お気に入りのベッド、家具を先に準備してレイアウトも可能な限り元の部屋に近づけてあげる。部屋を移動する時は落ち着けるキャリーやクレートを使って、新しい部屋に入ってもしばらく出さずに落ち着かせる。新しい部屋ではそのキャリーを隠れ場所に使えるようにしたり、2段や3段のケージを用意して大好きなオヤツをあげながら少しずつ出してあげる、、、、
専門家の方であれば、これくらいは基本として準備できたはずなんです😿
番組を作る方の意図もあったのかもしれませんが、やはり日本の番組は「基本的な動物の福祉」に対する認識が諸外国に比べても非常に遅れている、と言わざるを得ないなあと残念になります😔
ちなみに、上記の『新しい環境に慣れるための対策』は保護猫さんを迎え入れる時は特に大切かと思います。環境への慣れは個体差がとても大きいのですが、ここまでしてもなかなか慣れない、なんてこともザラにあります。
正解は確かに無いのですが、最後は“ねこさんを思う飼い主様の愛情と行動が全て”だと私は思っております😄