もともと本が好きだった(“読む“よりも“集めて満足“するタイプ)ので、わんこにゃんこの本はたくさん持っております。そして動物の本はちゃんと読みます。そんな中、おそらく「この本に出会って自分の人生は大きく変わった」と言える2冊の本を紹介します。
「のこされた動物たち」「待ちつづける動物たち」 太田康介著 飛鳥新社
フリーの報道カメラマンとして活動していた著者が、被災地に残された動物等をカメラに収めた壮絶な記録です。
私は妻と猫のこまちと暮らしながら、船橋市のパン屋さんで働いておりました。当時のことを覚えていらっしゃる方も多いと思いますが、町中のお店からパンが消え、皆パンを買えなくなっておりました。では、我々パン職人は何をしていたかというと、震災前、いつもの出勤時間は早朝4時半でしたが、震災後は2時には出勤してパンを作っていたのです。ですが、早朝から長蛇の列を作る人々によって、作っても作ってもパンは店頭から消えて行きました。誰もが生きていくことに余裕がなくなり、お客さんから「もっと作れ!」と罵声を浴びせられたりしたこともありました。そんな事が数週間続きましたが、パン騒動も落ち着き始め少しだけ周りを見渡す余裕ができた時、ふと手にとった本がこの本でした。
もともと動物が好きだったので、義援金は動物関連の団体等に送金していました。ですがこの本を読み、まさかここまで酷い状態だったとは思い至りませんでした。職場は小さなパン屋でしたが、現地へ行くことはできません。実際、行ける状況だったとしてもその勇気が自分にあったかどうか?正直わかりません。
読み進めるうち、自分には何ができるのだろうか?を常に自問自答する日々でした。当時、誰もが同じように思いながら過ごしていたと思います。自分はパンを作る、動物たちを救ってくれてる方々へ支援をする、そして家族を守る。
そう過ごしながらも、今日の今日までずっと動物たちに救われてきた自分は「もっと動物たちに“何かを“したい」そうしないと、きっと後悔する。そんな気持ちが日々大きくなっていくのが分かりました。
とにかく、動物たちの悲惨な状況がここには載ってます。現実はこの比ではないのだろうとも思います。著者の「チクショー」という言葉がそのまま自分の言葉としても、何度も口から出てきました。
それでもこの本を読んで良かったと思うのは「ぜったいに、動物たちをなんとかしたい!」が今までの自分の原動力そのものだからです。
被災した子達をなんとかしたい!
保護された子達をなんとかしたい!
この先、同じような事が起こった時になんとかしたい!
そんな時になにかをできる自分になりたい!!
それは、ボランティア活動を続け、愛護センターでの毎日を支える力になりました。
ここの本から頂いたこの力はこの先もずっと自分の中に溢れていると思います。